日本学童保育学会 編
定価:本体2,800円+税(税込3,080円)
2021年6月刊行
A5判・上製・362ページ
ISBN978-4-909942-16-6 C0036
学童保育研究の全体像、および学童保育が目指すべき姿・方向性を指し示す、20名の執筆による論文集を刊行!
学童保育所は、子どもの生活と発達を保障する場として、社会になくてはならない施設として理解されるようになっている。しかし、施設条件・環境を改善し、実践の質を高め、理念と価値を明らかにするための課題は山積しており、制度・政策の内容と動向を見極めていくための研究活動は不可欠である。
日本学童保育学会では10年間の研究蓄積をふまえて、学童保育研究の視点と内容を体系的に整理するとともに、学童保育をめぐる現代的な課題とどう向き合い、今後の研究と実践を発展させていけばよいのか、その方向性を指し示すことを意図して編集した。
この10周年記念誌が、今まさに発展しつつある学童保育の実践と研究の手掛かりとなり、現代社会における学童保育の価値を解明するための新たな礎石となれば幸いである。
目次
刊行にあたって
第一部 現代社会と学童保育
第一章 生活保障としての学童保育 垣内国光(明星大学名誉教授)
第二章 学童保育と学校教育の現在と未来 住野好久(中国学園大学副学長)
第三章 「大きな家族」としての学童保育から地域づくりへ――学童保育による家族的ケア機能の拡張―― 宮﨑隆志(北海道大学教授)
第四章 子どもの権利と学童保育の子ども観・子育て観 増山均(早稲田大学名誉教授)
第五章 日本の学童保育史研究の課題と展望 石原剛志(静岡大学教授)
第二部 学童保育実践の研究と実践者の養成・研修
第一章 学童保育実践の特質と構造 中山芳一(岡山大学准教授)
第二章 学童保育指導員・支援員の職務と専門性 矢吹真子(日本放課後児童指導員協会副理事長)
第三章 学童保育実践者の養成と研修 中田周作(中国学園大学准教授)
第四章 学童保育実践の基盤となる子どもとの対話 森崎照子(学童保育カンファレンスルーム代表)
第五章 実践者たちの同僚性と組織的な専門性向上 高岡敦史(岡山大学准教授)・籠田桂子(日本放課後児童指導員協会理事)
第三部 学童保育実践における今日的な課題
第一章 今日の子どもたちの発達保障と学童保育実践 二宮衆一(和歌山大学准教授)
第二章 「特別な教育的ニーズ」のある子どもとインクルーシブ学童保育 西本絹子(明星大学教授)
第三章 貧困・児童虐待問題と学童保育における家族支援 楠凡之(北九州市立大学教授)
第四章 学童保育における施設づくり・環境をめぐる諸課題 小伊藤亜希子(大阪市立大学教授)
第五章 学童保育実践における地域・関係機関との連携の今日的課題――〈子どもの権利〉をかなめに〈つながる〉こと―― 山下雅彦(東海大学名誉教授)
補論 学童保育研究の課題と展望
第一章 学童保育研究の軌跡と課題――学童保育実践の理論化と学童保育研究の再帰性―― 鈴木瞬(金沢大学准教授)
第二章 学童保育研究の方法論的検討――日本と韓国の学童保育施策の分析を通して―― 齋藤史夫(東京家政学院大学准教授)
第三章 学童保育の公共性と保育の質――学童保育研究は「民間委託と企業参入」をどう捉えることができるのか―― 代田盛一郎(大阪健康福祉短期大学教授)
第四章 非常時における学童保育支援論――放課後児童支援員のための支援者支援プログラムをとおして―― 植木信一(新潟県立大学教授)
あとがき
索引