梶山雅史 編著

定価:本体4,600円+税

2019年5月刊
A5判並製/422頁
ISBN 978-4-909942-00-5、(電子書籍版)978-4-909942-01-2

中央・地方教育会の具体的活動内容とその歴史的役割を鮮明に浮かび上がらせた重要文献を復刊!
明治10 年代、全国各地に登場した教育会は、日本教育史上全く新たな組織・システムを作り上げた。強力な教育情報回路を形成し、多様な行事・事業を繰り広げ、時事案件の処理に当たり、戦前の教員・教育関係者の価値観と行動様式を水路づけ、さらに地域住民の教育意識形成に深く関わった。
教育会の本格的研究である本書は、日本教育会史像の点検と再構築を提起する。
執筆者:梶山雅史、千葉昌弘、田島 昇、谷 雅泰、清水禎文、笠間賢二、大迫章史、山田恵吾、板橋孝幸、佐藤高樹、須田将司、白石崇人、千田栄美、陳虹彣
『近代日本教育会史研究』(学術出版会、2007 年)を一部直し、資料を追加して再版。

目次
序章:教育会史研究へのいざない(梶山雅史)
第1章:自由民権運動の展開と教育会の源流小考(千葉昌弘)
第2章:福島県教育会議の終焉――「福島県私立教育会」創立前史―― (田島 昇)
第3章:森の「自理ノ精神」と福島県での受容――福島(県)私立教育会の発足から規則改正まで――(谷 雅泰)
第4章:明治期群馬県における教育会の展開(清水禎文)
第5章:宮城県教育会の教員養成事業(笠間賢二)
第6章:広島県私立教育会による教員養成事業(大迫章史)
第7章:教員統制と地方教育会――一九二〇年代後半から一九三〇年代前半における千葉県教育会を事例に――(山田恵吾)
第8章:農村小学校の学校経営と村教育会――宮城県名取郡中田村を事例として――(板橋孝幸・佐藤高樹)
第9章:恐慌から戦時に至る地方教育会の動向に関する一考察――学務部・郡教育会・児童常会に着目して――(須田将司)
第10章:大日本教育会および帝国教育会に対する文部省諮問(白石崇人)
第11章:1909年文部省の全国連合教育会諮問――日露戦後天皇制教育の一断面――(千田栄美)
第12章:日本植民地統治下の台湾教育会に関する歴史的研究(陳 虹彣)
あとがきに代えて(梶山雅史)
索引

編著者紹介
梶山 雅史(かじやま まさふみ)
1943年、兵庫県に生まれる。
1974年、京都大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学
花園大学文学部講師、岐阜大学教育学部助教授・教授を経て東北大学大学院教育学研究科教授
2007年、東北大学定年退職、東北大学名誉教授、岐阜大学名誉教授
現在、岐阜女子大学客員教授、教育学博士(京都大学)
単著 『近代日本教科書史研究――明治期検定制度の成立と崩壊』(ミネルヴァ書房)
編著 『続・近代日本教育会史研究』(学術出版会)、『近・現代日本教育会史研究』(不二出版)
共著 『明治教育世論の研究 上』(福村出版)、『世界史のなかの明治維新――外国人の視角から』(京都大学人文科学研究所)、『帝国議会と教育政策』(思文閣出版)、『京都府会と教育政策』(日本図書センター)、『一九世紀日本の情報と社会変動』(京都大学人文科学研究所)、『雑誌『太陽』と国民文化の形成』(思文閣出版)、『岐阜県教育史 通史編 近代1』(岐阜県教育委員会)、『講座日本教育史』第三巻(第一法規)、『日本教育史論叢』(思文閣出版)、『教育史研究の最前線』(教育史学会)